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嫁さんが店を手伝っているので、都合の悪いときは私を自分の母のように思ってくれます。いろいろなことを頼まれたときは嬉しかったのです。息子には、してやれなかった発音の指導の役目を初孫に果たせたときの満足感は一生忘れられません。
嫁さんがたくさんの本を与えたせいか、孫はいまでも本から離れることができないようです。気がついたことは、息子と嫁と、初孫の大きな違いは孫の言葉の数の多いことです。孫は、健聴者がしゃべっているような話をしたり、ほとんど問違いのない文章が書けるからです。
現在は、大きく成長した孫(十九歳)が、久し振りに家に帰ってきて、そのおしゃべりを聞くのがなによりも楽しみです。
私が考えていることは、発音を矯正してやることにこだわらず、気長にやさしく楽しく、数多くの言葉をいっぱい投げかけてやるような気持ちで話しかける態度、孫の話を最後まで楽しく聞いてやる態度が、もっとも大切ではないかと思っています。

 

 

 

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